自己都合退職をすると、通常は 失業保険(基本手当)の給付が一定期間の給付制限 を経た後に開始されます。しかし、一定の条件を満たすことで、この待機期間を短縮し、すぐに失業保険を受け取る方法があります。
その一つが 「職業訓練の受講」 です。ハローワークが認定する職業訓練を受講することで、自己都合退職でも早めに失業保険をもらうことが可能になります。
本記事では、職業訓練を活用して給付制限を回避し、早期に失業保険を受け取る方法について詳しく解説します。
目次
1. 自己都合退職の給付制限とは?
自己都合退職をした場合、失業保険(基本手当)の受給には 給付制限期間 があります。これは、自己の意思で退職した人に対し、すぐに失業保険が支給されるのではなく、一定の待機期間を設ける制度です。
2025年3月までの給付制限期間
- 退職後、ハローワークで求職申請を行う
- 7日間の待機期間(この期間中は一切の収入がないことが条件)
- 2カ月間の給付制限期間(この間、失業保険は支給されない)
- ようやく失業保険の給付開始
2025年4月以降の給付制限期間
- 退職後、ハローワークで求職申請を行う
- 7日間の待機期間
- 1カ月間の給付制限期間
- 失業保険の給付開始
しかし、 職業訓練を受講することで、この給付制限期間を回避することができます。
2. 職業訓練を受講すると給付制限がなくなる仕組み
ハローワークが指定する「求職者支援訓練」や「公共職業訓練」に申し込むと、給付制限が解除され、すぐに失業保険が支給される という特例措置があります。
この制度を活用すれば、職業訓練を受けながら安定した収入を確保することができるため、再就職の準備期間として非常に有効です。
3. 早期に失業保険を受け取るための具体的な手順
① 退職後すぐにハローワークへ行く
- 退職後すぐにハローワークで求職申請を行う
- 失業保険の説明会に参加する
② 職業訓練の申し込みをする
- ハローワークで相談し、 「公共職業訓練」または「求職者支援訓練」 を選択
- 訓練開始までのスケジュールを確認し、必要書類を準備
③ 訓練開始後、失業保険の受給がスタート
- 職業訓練の受講が決定すると、通常の給付制限期間が解除され、すぐに失業保険を受け取ることができる
- 訓練修了まで継続的に給付を受けることが可能
4. 注意点と条件
職業訓練を利用して給付制限をなくすには、以下の点に注意しましょう。
- 訓練開始までの期間に注意:申込みから訓練開始までに数週間~1カ月かかることがある
- 受講中の出席率が厳格に管理される:8割以上の出席が必要(欠席が多いと給付停止)
- 求職活動の継続が必須:訓練受講中も定期的にハローワークで求職活動の報告が求められる
5. まとめ
- 自己都合退職でも、職業訓練を受講すれば給付制限なしに失業保険を受給可能
- 2025年3月までは2カ月、2025年4月以降は1カ月に短縮
- ハローワークで「公共職業訓練」や「求職者支援訓練」に申し込むことが条件
- 退職後すぐにハローワークへ行き、手続きを進めることが重要
- 訓練受講中は一定の出席率を守る必要がある
この制度をうまく活用すれば、金銭的な負担を軽減しながらスキルアップができるため、再就職の大きな助けになります。自己都合退職を予定している方や、すでに退職した方は、ぜひハローワークに相談してみてください。